住宅業界で勝ち残るために。2018年からやるべきこと【後編】

新建新聞社主催の「住宅産業大予測2018」レポートの続きです。実に様々な要因が住宅業界に迫る「2020年」。そのために2018年に備えておくべき、しておくべきことはなんなのか…。三浦氏のお話しの中から「2018年にやるべきこと」をご紹介します。前編はこちら 前回は「2018年にやるべきこと」4つのテーマのうちの2つ、テーマ(1)縮小市場でどう生きる「未来創造」、テーマ(2)人とチームがすべて「ヒューマンファースト」をご紹介しました。今回は残り二つのテーマについてご紹介します。


テーマ(3)正しく売れるには「顧客視点」

マーケットアウト=4P+4C型
理想の顧客と社会が本当に必要としているものを理解した上でイチから商品・事業を組み立てていく

プロダクトアウト=4P型
作りたい理想の家が先にあってそれにふさわしいマーケットを後から探す

マーケットイン=4C型
ニーズを優先し顧客が欲しがる商品・買える商品の企画・開発を行い、売れる家だけを提供する

4P型と4C型の違いはこちらの記事で説明していますが、今の時代には4C型の考え方の方がマッチしています。上のプロダクトアウトは今の時代にあった考えではなく、必要なのは「マーケットアウト」だと三浦氏。ただ、マーケットアウトとマーケットインの差別化は難しく、マーケットインの考え方も必要ではあるようです。世間を見てもファストファッションやプチプラコスメ等、コスパ重視(顧客が欲しがる・買える)製品がヒットしていることを思うとマーケットインの考え方外せません。

マーケットアウトはまだ、顧客や社会がその必要性に気づいていない価値にもなります潜在欲求に気づかせる能力が必要。例で挙げられていたのは、一条工務店。「家は性能」とうたい、潜在的に高性能住宅を求めていることに気づかせました。再定義・再発明する能力、価値に気づかせリアライズさせる。さらに例で挙げられていたのは、ミサワホームの「蔵の家」とBESSの都市部でのログハウス。どちらも再定義し、一般消費者に価値を見出させました。再定義とリアライズがポイントです。


テーマ(4)業つ工務店の基本「地力向上」

根本的なこととして「地力」のある企業は当然ながら強いです。その「地力」を向上させるのに2018年やるべきことは…

標準化×ICT 全てのプロセスをICT化
集客や営業支援のためのツール(SFA)などの導入、顧客管理(CRM)などを活用して商機を逃さない。設計、シミュレーション、プレゼンも社内でムラがないように標準化すること。担当によってクオリティが全然違うなんてこと、起こりえますよね。現場管理や現場情報の共有をICTで徹底し、連絡や確認漏れによるミスを防ぎます。ここ数年広がりを見せているシェリングエコノミー。個人と個人が、空き家や持ち家のシェア(みんぱく)をしたり、使わなくなった物のシェア(フリマアプリ)や、カーシェアリングなど様々な場面で見受けられます。既存事業の枠を超え、シェリングエコノミーの流れを汲んだサービスなどにもアンテナを張りましょう。


いかがでしたか?2018年のやるべきことを4つのテーマにした三浦氏の講演内容をまとめてみました。とにかく経営のゴールは「増進増益」。言行一致の正しい経営をして、お客様からの信用を増やし、利益も増やす。そして信用を貯めていく「貯信」が大事であるとおっしゃっていました。

住宅産業大予測2018 / 新建新聞社