コロナ禍が続く中での住宅業界の動向。2020年の振り返り

新型ウイルスの感染拡大によって、一都三県で再度の緊急事態宣言が発令されました。大阪・兵庫・京都も緊急事態宣言発令の要請をし、発令されることになりそうです。日本経済のみならず世界的に先行きが不安な中、昨年の住宅業界の動向はどうだったのでしょうか。

◆新築着工数は73万戸と推計、リーマンショック時の水準を下回る
新型コロナウイルスの影響により、2020年度、2021年度の新設住宅着工数はそれぞれ73万戸、74万戸と推計され、いずれもリーマンショック時の水準(78万戸)を下回る見込み。

出典:株式会社野村総合研究所


◆新築マンションの販売戸数は減少、価格は上昇

・首都圏・
2020年4月から9月までの供給戸数は8,851戸。コロナ禍の影響からか、1万戸をきる低水準となったようです。平均価格は6,085万円(同+1.3%)と少し上昇しています。

・近畿圏・
近畿圏の供給戸数は5,881戸と、2年連続1万戸台を下回る低水準となりました。平均価格は4,018万円(同+7.1%)で2年ぶりの上昇となりました。

◆中古マンションの成約件数は大幅に減少、首都圏では価格は上昇、近畿圏では減少
・首都圏・
20年4から9月までの中古マンションの成約件数は、15,965件(前年比▲16.3%)と大幅に減少。成約価格は、3,549万円(同+4.1%)と8年連続上昇しています。

・近畿圏・
近畿圏の中古マンション成約件数は、7,748件(前年比▲10.0%)で、4年ぶりに減少。成約価格は2,290万円(同▲0.1%)で、8年ぶりに下落しています。

◆首都圏では中古戸建の成約件数も減少、価格も減少傾向。
・首都圏・
中古戸建の成約件数は6,302件(前年比▲6.8%)で、3年ぶりに減少。価格は3,018万円(▲3.1%)と2年連続で減少

出所:(公財)東日本不動産流通機構 「マーケットウォッチ」


なかなか厳しい状況が今後も続きそうですが、経済の先行きが不透明な中どんな工夫をして消費者の心をひきつけるかが課題となりそうです。奇しくもコロナ禍による在宅勤務の増加や、感染対策などがきっかけとなり消費者の「住宅環境の見直し」「DIYへの興味」「健康志向」「自然回帰」「再生可能エネルギー」「サスティナビリティ」への関心が高まっています。こんな時代だからこそニーズにあった顧客体験と従業員満足度を上げ、一丸となり乗り越えていければ…!