住宅のリフォームのメインの顧客層はやはり50代~60代。子どもも巣立った後、リフォームを検討する時に「健康寿命」を延ばすためのポイントも知っておきましょう。「健康寿命」とは自立した生活が送れる期間のこと。病気やケガなどで自立がままならない状態ではなく自分で生活が送れる健やかな状態のことですね。人にとって何よりも大事な「健康寿命」は家の機能によって守ったり延ばしたりできる可能性があるのです。
ポイント1.温度差の少ない家でヒートショック防止
熱い湯舟と寒い脱衣所の温度差、暖かいリビングと寒い廊下の温度差、室内の激しい温度差により血圧の高低差がおこり心筋梗塞や脳卒中で倒れるリスクがあります。交通事故で命を落とすより浴室で命を落とすことの方が多いそうで…。高断熱高気密住宅にして、温度差をなくすことが何よりも大事です。
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ポイント2.空気の循環でカビを防止
断熱性や気密性を高めると激しい温度差は防げますが気密性が高い分、適切な換気が必要になります。換気ルートをきちんと設計してもらうようにしましょう。
ポイント3.シックハウスを防ぐ建材を
気密性が高まると建材からの揮発性有機化合物が室内にとどまり、シックハウス症候群を誘発することも。アレルギー体質の自覚がある人は、自然素材の無垢材や珪藻土にした方がいいかもしれません。
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ポイント4.段差をなくす
高齢者のリフォームにとって「バリアフリー」は必要不可欠なものですが、案外見落としがちなのが数センチほどの小さい段差やカーペットとの継ぎ目など。うっかりつまずいて転倒してしまうリスクがあるので、数センチの段差も見逃さずに全てフラットになるように目を光らせましょう。
ポイント5.開き戸をやめる
開き戸をやめて、上吊りタイプのオートクローザーがついている引き戸だとレールや敷居も不要で、開け閉めも楽なので足腰が弱くなってきても安心です。
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ポイント6.水回りをまとめてワンフロアで過ごせる間取り
足腰が弱くなってくると二階への昇降はなかなかしんどいもの。キッチン・洗面・浴室・トイレなどの水回りを近くにまとめた設計にして、生活導線をコンパクトになるようにすると楽です。
ポイント7.作り付けの家具にして集中収納に
こちらの「すまいの地震対策」の記事でも紹介していますが、背の高い家具や大きな家具は地震や災害の際に凶器になるリスクがあります。またあちこちに家具が点在していると逃げ出す際の妨げになります。できる限り作り付けの家具にし、納戸やクローゼット押し入れを活用した集中収納を心がけましょう。
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ポイント8.最新の住宅設備で家事労働を楽にする
いつも清潔で快適な住まいを維持するためにも、自動洗浄機能のあるトイレやバスタブ・換気扇やエアコン、自動散水装置など家事労働を楽にする文明の利器に頼るのも一つの手です。
ポイント9.手すりの配置
介護が必要になった場合に手すりが配置できるよう下地処理をリフォームの時点でしておくことも大切です。
ポイント10.快適な睡眠のために
こちらの「睡眠の質をあげるためのは部屋作り」でもご紹介していますが、シニア世代になると男性は「早期覚醒型(朝早くに目が覚める)」になるのに対し、女性は「入眠困難型(寝つきが悪い)」になるようです。寝室を別にしたり、間仕切りをつけるなどストレスをためないようにそれぞれの睡眠サイクルを優先した方が快適で健やかな毎日になるかもしれません。
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