色の潜在力を家づくりに取り入れようというテーマで前回はお届けしましたが今回はじゃあ「具体的に何色を取り入れるのか」を見ていきましょう。
まず色には様々な「調和」があります。この「調和」の種類から取り入れるべき色と組み合わせをご紹介します。
「単色調和」
色味のある赤や緑の有彩色一色と黒、灰色、白などの無彩色一色との組み合わせを単色調和といいます。住まい、たとえばリビングなどの場合はベージュやわさび色と白を合わせる場合が多いです。ベージュやわさび色は精妙な中間色で白によっていっそう美しさを増します。
「同系色調和」
同系色の濃淡だけで調和を図る方法です。ベージュ色の壁に茶色のドアや同系色の木材のドアの組み合わせは無難にまとまります。ただ平面的になってしまうので、白い目地など線を配すると同系色調和がイキイキとします。
「類似色調和」
有彩色一色とその有彩色を含んだ一色の組み合わせのことです。ベージュ色にクリーム色がマッチするのはベージュに黄色が含まれているからです。焦茶色とオレンジ色、水色とすみれ色、ピンク色とラベンダーなどが類似色調和です。類似色調和は住まいの中ではワンポイントで取り入れるのが効果的で、ラベンダーのカーテンのそばにコーラルピンクのランプシェード、淡い水色のカーテンにラベンダーのベッドカバーなど。いろんなカラーアイテムを取り入れたいけど、合わせ方が苦手…という人は類似色調和を取り入れるとうまくまとまります。
人との親和性がバツグンだから和室にいるとストレスが解消される??
心と体の安らぎを得る場として和室は最適なんだそうです。和室にはヒノキの柱、畳、ベージュもしくはわさび色の壁、スギの天井などで構成されており、それらの反射率はピッタリ50%で、ヒトの肌色も50%だそうでよく馴染む仕組みになってるそうです。「和室」に縁遠く、もはや和室で過ごしたことの方が少ないかもしれないのにどことなく和室にいると「なんか懐かしい、落ち着く」というのは親和性の高さから来ているんですね。
さらに人間は光や色によって筋肉反応を本能的に起こします。スギ・ヒノキの色、ベージュ・わさび色など目に飛び込んでくる和室の色合いは筋肉を弛緩させる色だそうです。実験によると和室の色合いを見た時の数値が23。はっきりとした色を見た時の数値では青が24、緑が28、黄色が30、オレンジが35、赤色の場合は42もの反応数値がでたそうです。和室の色がいかに人を「ゆるやか」にさせてくれるかがわかりますよね。
画像引用元:ホームプロ
最近は純和風の家は少ないですし、フローリングの部屋ばかりで1室だけ和室に…というパターンが多いかと思いますが、こんなストレス解消の効果があるのならもっと和室で過ごしたいですね。
出典:色の秘密 最新色彩学入門 / 野村順一著