“遠近法”に種類があるって知ってた?すぐに使える遠近法テクニック

パースを描く際に決して軽視できない「遠近感」。遠近感を効果的にパースに取り入れることによって、パースの仕上がりは格段に違ってきます。そんな「遠近感」を出すための遠近法に、実は様々な方法はありのご存知でしたか?ここでは、3つの遠近法をご紹介します。

1.線遠近法
透視図といって、手前のものから奥に遠ざかるにつれて小さく見えるという遠近法を線画によって表現された図法のことです。平行なもの同士は必ず一点に交わる法則があり、その交わる点を「消失点」といいます。

この線遠近法に活かしたシミュレーションがこちら。同じ幅・厚みの板の間隔を1mずつ置いた場合。Aの板は同じ高さで、Bの板は奥にいくに連れて50㎝刻みで低くしています。

明らかにBの方が遠近感を感じ、広く感じますよね。このように手前に見えるものは大きく、奥にあるものは小さくすることで空間も広く見えるようになるので、デザインに取り入れてみましょう。

2.重ね遠近法
手前と奥で物と物を重ねることによって奥行きを感じさせる方法です。高低差のある塀、デザインウォールとなる門袖、その間に低木・中木・高木をうまく配置すると塀と植栽の重なり具合で敷地全体を広く見せることができます。前のものよりも後ろのものの色を濃くすること、明度差による遠近法を用いる方法もあります。

3.空気遠近法
手前のものは濃くハッキリと奥のものは淡く表現することで遠近感を出したり、色の特性を利用して遠近感を出すことです。

こちらは全て同一の塗り色。奥に行くに連れ高さは低くなっているので遠近感は感じれますが、少しのっぺりして見えます。


こちらは奥の色を淡くしたもの。Aに比べて奥行き感が強調され、さらに遠近感を感じられやすくなりました。


こちらは手前から後退色である淡い青紫系のグラデーションをかけてさらに遠近感を出した例です。この「青系は後退色なので奥まって見える」ということも覚えておくと便利です。

すぐに使えるテクニックですので、パース作成のご参考にしてみてください。
エクステリアの色とデザイン / 松下 高弘 著