ICA関西セミナーは「子ども部屋のインテリアコーディネート」後編です。前編はこちら
子どものいる住空間に臨まれる環境
これは子どもに限った話ではありませんが、住空間における「光」「照明」は人間の成長ホルモンにも影響する大事な要素です。育ち盛りの子どもにはとっても大事な成長ホルモン。成長ホルモンはもっとも深い睡眠時に一度に大量に分泌されます。そのため、寝つきが悪かったり、ぐっすりと眠れなかったりする状況だと、成長ホルモンはうまく分泌されません。質のよい睡眠のためには睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の分泌が必要不可欠です。メラトニンの役割は副交感神経を優位にして覚醒から睡眠に切り替え、入眠をスムーズにします。メラトニン分泌のためには、太陽光をしっかり浴び、夜間は照明を弱くするなどの工夫が必要です。タスク&アンビエント照明を取り入れましょう。全体を柔らかく照らす明りアンビエント照明(できれば調光が可能なものがベター)と勉強や作業中の手元を照らす光(タスク照明)です。タスク照明は机の上の明るさが均一になるような蛍光灯がおすすめです。
こちらは生活に適した色温度の表。色温度を表す単位はK(ケルビン)で、数値が低いほど暖色系の色を発し、高いほど寒色系の色を発します。光源の温度や明るさとは関係ありません。住空間の照明を選ぶときの一つの目安にしてみてください。ちなみにW(ワット)は消費電力を表し、Lm(ルーメン)は光源から発せられる明るさを表します。同じ5Wの光源でもLm値が大きいほど明るいことになります。
子供部屋を通じた欧米と日本の子育ての比較
住居の大きさや部屋数に起因するところも大きいですが、欧米では生まれた時、または1歳くらいまでに子供部屋を与えてベビーモニターなどで見る個人型。日本ではある程度大きくなるまで一緒に眠る、母子密着型が一般的なようです。欧米では子ども部屋の管理は子供の責任、個人として確立させるために必要なことであるという認識で、自分で選択できる年齢になれば部屋の装飾なども子どもに一任します。小学校高学年くらいからは掃除も子ども自身にさせるそうです。一方、日本では部屋の装飾や掃除なども母親が管理し、世話することが多いようです。
子どもを一人の人間として付き合い、個人主義だからこそコミュニケーションを深く密にとることに重きを置きます。子どもが成長して対等に話ができるようになるとよりコミュニケーションが増えることもあるようです。海外ドラマなどでもティーンエージャーの子ども部屋にぐいぐい入って「最近どうなの?」と子どもの話に耳を傾けている姿を見ます。日本ではぴったりとドアを閉められたティーンエージャーの子ども部屋に親がズカズカと入りコミュニケーションをとるようなことは少ないように思います。でもそれも多感なティーンエージャーをそっとしておく、という尊重ともとれます。どちらも文化の違い、住環境の違いが背景にありどちらが良い悪いという話ではないですが、こどもをきちんと独立させ自己主張のできる個人として確立させたいのであれば、欧米型の子育ての方がより近しい考え方なのかもしれません。
住空間・子ども部屋の定義の仕方が子どもの発育に関わるポイントを前編・後編でご紹介してみました。照明の問題は大人の熟睡度などにもかかわるので照明の買い替えの際などに意識してみるといいと思います!