国土交通省は空き家に入居する子育て世帯や高齢者に最大で月4万円の家賃補助をし、受け入れる民間住宅には改修費として最大100万円を配ることを固めました。対象となる空き家は事前登録が必要で早ければ2017年秋には開始されるとのこと。これは子育て世帯や高齢者にとってはかなりの朗報ですよね。
ただ、補助があるからといって「どんな空き家」でもいい、という借り手はほぼいないでしょう。やはり立地条件のなるべくよいところ、なるべく綺麗(リノベ済)の空き家が好まれると思います。
そうなると貸主のリスクはどうなんでしょうか。100万円の補助金をもらってリノベーション費用に割り当てたとしても、家賃補助4万円を超えた分の家賃の滞納金が発生してしまうかもしれないリスク、高齢者に貸した場合は孤独死などによる物件評価の低下のリスクなど「リスクが大きい」として貸主登録を渋る所有者も少なくないそうです。
結局は「立地条件のいい+リノベ済」所有者の物件に借り主の人気が集中してしまい、人気物件になりえない貸主側はあまり旨味を感じられない、今とさほど変わらない状況になりそうです。
「空き家」を本当に解消したいのであれば、住居だけの使用だけではなくオフィスやコワーキングスペースとしての活用を認めたり、アトリエやスタジオ・教室としての活用や、地域のコミュニティスペースとしての活用など、住宅以外の活用にも補助金を出せば本当の意味での「空き家解消」になるのでは、と思います。