6月30日号のリフォーム産業大予測に掲載されていた「リフォーム予定者500人にきく住宅の質向上に関する意識」のアンケートの中で興味深いものを抜粋してご紹介します。対象者は2019年までにリフォーム計画がある27歳~65歳の既婚男女500人以上。最大予算の平均は635万円でした。
リフォームの動機
やはり「機能性能の改善」を理由にする方が多いようです。住まいの不満や不具合を解決する方法がリフォームですので当然かもしれません。ですが、年齢があがるにつれて「暮らしの豊かさ」を重視するようです。
耐震リフォームに対する意識
熊本地震や今年の大阪北部の地震などの影響もあり、耐震への関心はリフォームをする人にとって高いようです。ですが「行わなくていい」「今後も行おうとは思わない」層も二割ほど。
耐震リフォームをしない理由
耐震リフォームに消極的な人を対象にした項目では耐震リフォームを行わない理由として「資金がない」でした。キッチンや風呂場の水回りや、部屋の間取りなど日々の不満や不具合からリフォームを行うことになるので、効果が目に見えにくい耐震性能は優先順位がさがるようです。シミュレーションなどで効果をわかりやすく説明する必要があるかもしれません。
耐震改修補助金の認知度
耐震リフォームに関する支援制度の存在自体が知られていないことが浮き彫りに。自治体によって様々な制約があるようですが、知っておいて損はありません。
低断熱の悪影響
断熱性能の低い住宅ではヒートショックや、結露によるカビの発生による健康被害などがあります。低断熱が及ぼす体への影響をきちんと知っている人は2割程度でした。
補助金を使って断熱改修を行うか
断熱改修に関して経済産業省・環境省が100万円を超える補助金を実施しています。補助金が使えるのならば、断熱改修を行いたいと答えた人は8割以上。耐震改修よりも大きい割合となっています。耐震リフォームにくらべ、効果を感じやすいということも理由としてあるようです。
インスペクションの認知度
住宅業界では住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断する「ホームインスペクション(住宅診断)」をきちんと理解しているのは1割程度でした。
売却意向、資産価値の考慮
将来的に住宅を売却したいと考えている人を対象にした項目。工事の内容を、資産価値を考慮して決めるかという問いに7割以上が「考える」と回答。性能が高い住宅が評価され資産価値があがれば、性能向上リフォームはもっと需要が増えます。
耐震性能へも高い関心はありつつも、やはり今困っている水回りを優先する傾向にあるようです。断熱性能は効果が出やすい上に高額の補助を受けられる可能性があって、比較的ウケがよさそうです。資産価値の向上のためにも、性能の向上は欠かせないですね。