2018年の住宅業界の動向は?元気のいい4C型企業って?

今年も新建新聞社主催の「住宅産業大予測2018」に参加してきました。新建新聞社の代表取締役である三浦氏が住宅業界をとりまく様々なリスク、住宅購入層の変化・経済状況を加味しながら、2018年住宅産業に関わる人はどう対策し備えるべきなのかを解説してくれました。

(1)メガトレンドをつかむ
再三言われていることですが人口はどんどん減少しています。その中でも住宅メイン購買層である30代の人口は2015年から2025年までに2割減といわれています。さらには生涯未婚率の上昇により世帯を持たない人が3割増える予測です。世帯を持たないと住宅購入になかなか繋がらないので、独身者向け住宅の開発・販売なども検討の余地がありそうです。

2018年・2019年までは「コスパ・サービス・販売力」がポイントになりそうです。そして今のご時世では自社が売りたい家(プロダクトアウト)の4P(Product=商品、Price=価格、Place=流通、Promotion=販促)型企業より、顧客が欲しがる4C(Customer Value=顧客価値、Cost=顧客の費用、Convenience=顧客の利便性、Communication=顧客との対話)型企業の方が強いのではないか、とのことです。

この4Cをもう少し細かく説明すると
Costomer Value  カスタマーバリュー ⇒顧客にとっての価値
Cost コスト ⇒顧客にとっての無理のない負担
Convenience コンビニエンス ⇒利便性・買いやすさ
Communication コミュニケーション ⇒好感・信頼・納得・サポーター

この4つの条件を満たす4C企業が今のご時世にマッチしていて、市場で勝ち残れる可能性が高い、と。

4Cの中のコスト面を考える時に、2015年~2017年までの注文住宅の平均予算の推移を見てみましょう。一番伸びているゾーンは2,000万~2,500万未満と2,500万~3,000万未満。4,000万以上の高級住宅のゾーンは伸び悩んでいます。このことを考えると売れ筋の販売価格は2,500万~3,000万あたりになりそうです。

三浦氏は住宅産業には「2020年ショック」というものが訪れる、とお話しされていました。住宅業界を襲う「2020年ショック」とは…

1.東京五輪・消費税駆け込み需要の反動
⇒反動により住宅購入予算はさらに落ち、デフレ状態に

2.2019年をピークに総世帯数が減少していく、30代のファミリー世代は2010年比で二割減
⇒そもそものパイが減ってしまう

3.新設着工住宅は2015年比約2割減

4.空き家は20%超え。空き家活用は国家的課題に
⇒中古住宅販売は案外伸びしろがある。現在でも東京では持ち家世帯の45%が中古物件のリノベーション。福岡では35%になっており、今の若い世代はメルカリなどにより中古のものに抵抗がなくむしろ高い新築よりセルフDIYができる中古物件の方が受け入れやすい可能性も。

5.既存住宅+リフォーム市場倍増20兆円目標

6.団塊世代が後期高齢者へ、高齢者施設不足が加速

7.省エネ基準適合化、新築の過半数ZEH化目標
⇒ZEHに対する取り組みや技術が必要に

8.訪日外国人旅行者は2020年に倍増4,000万人目標

9.大工の数は2010年の40万人から31万人に減少?
⇒大工や職人の不足問題。優秀な人材は取り合う時代になってしまう

10.「働き方改革」法制度化、罰則規定がスタート
⇒超過勤務の多い住宅業界は「働き方改革」できるのでしょうか

実に様々な要因が住宅業界に迫る「2020年」。そのために2018年に備えておくべき、しておくべきことはなんなのか…。次回は三浦氏のお話しの中から「2018年にやるべきこと」をご紹介します。

 

住宅産業大予測2018 / 新建新聞社